青い春 (2002)
■ＣＡＳＴ
松田龍平、新井浩文、高岡蒼佑、大柴裕介、山崎裕太、忍成修吾、塚本高史、ＥＩＴＡ、鬼丸、ＫＥＥ、小泉今日子、マメ山田、姜 暢雄 他
■ＳＴＡＦＦ
監督/脚本：豊田利晃 原作：松本大洋
エンディングテーマ曲：ドロップ（ミッシェル・ガン・エレファント）
■ＳＴＯＲＹ
某、県立高校。
卒業生を送る「仰げば尊し」の聞こえてくる講堂。その屋上には新３年生がいる。
“幸せなら手を叩こうぜ！”
九條（松田龍平）、青木（新井浩文）、雪男（高岡蒼佑）、木村（大柴裕介）、大田（山崎裕太）など仲間内で新３年生の肝試しの危険なベランダゲームが始まる。それは屋上のベランダにつかまって手を離すごとに何回手を叩けるかを競う危険なゲーム。勝者は九條。「やっぱ九條すごいよ。７回だもんな７回だぜ。」興奮する青木を尻目に、九條はそんな事にはもはや興味すらなくなってきている自分を、高校生活の終わりを“青い春”の終わりが近い事を、感じていた。そしてそれは九條だけではなく、雪男も木村もそれぞれの終わりを感じていた。九條の幼馴染みであることで、周りから軽視されながらもここにいる事ができる青木は不可能な事は分かっていながらこの状態をいつまでも続けていたかった、いつまでもこのメンバーが天下で高校３年生でいる状態を。
春も終わり、教室では授業が行われている。
ついこの前３年になったばかりの高校生活なのに、仲間達は微妙な変化を見せ始める。
雪男は思っていた、俺はこれでいいのか？何処かで間違ったのか？これが自分なのか？何処で間違った？
野球部のエース木村は甲子園予選敗退て高校野球が終わっていた。取り戻せない事は分かっているあの一球、取り戻せない青春。目標を失い、“青い春”の終わりを他の仲間達より早く感じてしまっていた木村。屋上に立つ九條を見上げて木村が呟く。
「……俺にはもうそこは高すぎる、もうガキじゃねえもんな」
青木が隣の九條に話しかける。
「九條、最近どうしたんだよ『もう九條さんの時代は終わった』とか言ってる２年坊とかに“九條”って呼び捨てにされてるみたいだぜ“さん”とか無しでよ」
九條には軽視されているのが自分ではなく青木だということは分かっていた。それでも九條は２年生の番長レオと屋上に立っていた。レオは今“青い春”の真只中に居る。レオに焼きを入れる青木。屋上から消えていく九條。
「九條 なんでよー、一緒にやろうぜ」
苛立つ九條。
「何でもかんでも俺に頼るんじゃねえよ」
その日から一変して授業を真剣に受けるようになった九條とは裏腹に青木の中で何かが壊れた。青木は２年生の不良グループを引き連れ無茶な喧嘩に明け暮れ、暴走に苦言を呈する九條をも無視し、完全に壊れていた。出口を無くした青木。
九條、青木、雪男、木村、大田それぞれの青い春がいま終わろうとしている。
■ＩＭＰＲＥＳＳＩＯＮＳ
これは、、、ヤラレました。松田龍平くんに。確かに九條役は彼しかいないでしょう。それと同じくらいに青木役は新井くんしか考えられないですね。それくらいハマッテます。龍平くんは初出演の「御法度」を観て、妖しい魅力のあるコだな〜と思っていましたが、この映画を観て、もっとそう思えました。ストーリーや役柄はそういう類のモノではないのになぜでしょうね。多分、龍平くんから出ている匂いみたいなものだと思います。最初青木役はＥＩＴＡくんという話があったみたいですけど、印象的ではあるけど青木とはちょっと違うってことで、オバケというあだ名の役になったようです。木についている虫を取っては地面に埋めてたり、授業中は常に熟睡してたりと、かなりおかしい役でした。新井くんは演技とは程遠いと言われるくらいで反対する人もいたようですが最終的には豊田監督が決めたらしいですね。でもホントぴったり！いい味出してます。
男子校ってこんなに荒れてるの？ってのが最初の印象。ベランダゲームも男子校ならではって感じでびっくり！でも授業サボって校内で遊んでるところなんかはかわいかったりしました。みんなそれぞれ個性的なコたちで、龍平くんと新井くんはもちろんですが、いちばん意外だったのが高岡くん。どっちかというと優等生タイプのイメージの彼が、どんな不良になってるんだろうと興味津々だったのですが、これが凄かった！っていうかあまりの変身ぶりに感動しましたよ。しかも嘘でしょ〜って事までしてくれちゃって。「雪男〜！なぜそうなる！」みたいな。裕太くんはこういう役上手いね〜危なげない。忍成くんはお尻出してるし、塚本くんの野球小僧はかわいいですよ。大柴裕介くんは覚えてるのだと「木更津キャッツアイ」にチンピラみたいな役で出てたのくらいでしょうか。彼も独特な雰囲気持ってますね。『先輩、グッドタイミングです』のあと、曲が被ってスローモーションになるところとか何故か胸がいっぱいになってしまいました。仲の良かった九條と青木のそれぞれの結末は、もどかしくて悔しくて悲しくて泣きたくなりました。
それにしても新井くん、もしかして本当にあの屋上でずっと立っていたの？？
■ＭＡＲＫＩＮＧ
★★★★